高校古典でのOneNoteの利用
こんにちは。
今回は、先日「Japan EduDay:高校でのパソコンの利活用事例を一挙公開~ここまで使えるWindows PC~」(以下参照記事)でも、簡単に紹介した高校古典におけるOneNoteの利用について紹介したいと思います。
ICTと古典は、あまり馴染みがないように思われますが、OneNoteをいわゆる普通のプリントだと思って使えば、特に違和感なく、導入することが出来るかと思います。
私が授業を行ったのは、昨年度の高校1年生の古典です。
高校1年生の古典となると、必要になるのは用言の活用形や活用種類など、品詞分類の基礎的な部分に慣れてもらわないといけません。
そこで、OneNoteのクラスノートブックを使って、生徒のプライベートスペースに配付したページは、以下のようなものです。
上の画像は、「和歌の修辞」について簡単にまとめたページ、下の画像は『古今和歌集』のワークシートです。
生徒が埋めていくワークシートでは、歌には用言と助動詞、係助詞について色分けし、和歌の修辞については下線を引きました。
また、その下には現代語訳や、用言それぞれの活用形や活用の種類、古文単語の意味を入れる箇所を作ってあります。
このワークシートを使って、生徒はそれぞれにページに必要な情報を入力していきます。
個人で黙々と取り組んでも良いですし、分からない部分は協力してもOKです。
その後は、ホワイトボードにOneNoteのページを投影して、マーカーで書き込みながら説明していきました。
このように中身については、通常のノートやプリントと変わりません。
むしろ、品詞がカラフルに色分けされることで、視覚的に見やすいと言っても良いかもしれません。
そして、この「視覚的に見やすい」というのは、意外と重要なポイントなのではないかと思っています。
- プリントの場合、傍線やマーカーの種類にも限界がある。
- 全体を通して、品詞の偏りが色で分かり、歌ごとに覚えるべき品詞が多寡も分かりやすくなる。
- 見た目が華やかである。
今回は、生徒が古典もOneNoteも慣れていない状態だったので、この色分けについては、慣れてくれば生徒自身が行うという課題も良いと思います。
そして、この見た目の華やかさは、どうにも地味なイメージがある古典を、しかも品詞分解をしていくという単純作業を、少しでも彩る意味でも良いのではと思います(空いたスペースに、ちょっとしたイラストを載せても良いと思います)
また、先生も生徒もOneNoteの使い方に慣れてきた場合は、共同作業スペースを使い、グループを作って共同作業してもらいました。
今回は、授業で扱うすべての和歌を上の形式で1ページにおさめたうえで、以下のようにグループごとに各自でページを作ってもらう形を取りました。
理由としては、
- グループごとに予めセクションを分けて、権限を切り分けることも可能だが、意外と準備に手間が必要になる。
- 予め一首ごとにページを分けて作るのは、やや手間がかかる。
- 生徒にページを実際に作成してもらうことで、OneNoteの使い方を学べる。
の三点です。
そこで、グループの代表者が最初にページを作り、タイトルには自分たちの名前を入力してもらい、自分たちが担当する和歌をコピーして作業に取り組んでいもらいました。
なお完成後は、グループ毎にそれぞれのページを投影して、私の代わりに説明をしてもらいつつ、誤った箇所は訂正を加え、簡単な質疑応答を行いました。
そして、単元の仕上げとして、いくつかの問題を入力したFormsを、OneNoteに貼り付けました。
今回は試験直前となってしまったため、各自で課題として取り組んでもらう形をとりましたが、授業日数に余裕がある場合は、Formsの回答画面を映しながら、苦手な部分を復習しておくと良さそうです。
Formsでの集計を除き、これらのページは、ほとんど従来の紙のプリントで代用出来るものかと思います。
ただし、
- 色を自由に使える。
- 大量のプリントを刷り、運び、配る必要がなくなる。
- 生徒の作業状況を、リアルタイムでどこでも確認できる。
- 生徒がデジタルノートに慣れる。
というのは、OneNote使用による利点かと思います。
また、プリントと似ているからこそ導入しやすく、初めてOneNoteを使う生徒や、先生も感覚的に使いやすいというのも良い点です。
発表も、教員のあるいは生徒のPCを使って、画面をそのまま投影すれば良いので、新たにPowerPointを作る必要もなく簡単です。
唯一難点をあげれば、OneNoteが縦書きには対応していないという点です(表機能や画像添付でカバーは出来ますが)
やはり国語の、しかも古典のため、縦書きのほうがイメージがつきやすいというのは、教員としても、また生徒としても否めないところのように思います。
この点に抵抗がなければ、ぜひ使ってみることをおすすめします(今後OneNoteの縦書き対応を願ってやみません)