Forms / テキストマイニングツール / Excel+E2D3 を利用したブレインストーミング手法

こんにちは。

 

今回もタイトルがてんこ盛りでございますが、

端的に言うとICTツールを駆使してブレインストーミングをしてみたという実践報告です。

 

生徒から出てきた意見をこんな感じに word cloud にまとめることができました。

 

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図1:完成した word cloud

 

 word cloud を作る、というと Mentimeter を思い浮かべる方が多いかと思いますが、

この方法で作成した word cloud は Mentimeter で作ったものと違い、中身を自由に編集できることが特徴です。

 

なので、ブレインストーミングの作業で必要となる「似ている意見をまとめること」や、「不要な言葉を cloud から削除すること」を容易に行うことができます

 

 


具体的な状況や方法を以下にまとめます。 

 

中学3年生を対象に「リーダー」をテーマに道徳の授業を行いました。

その導入部分として「リーダーに必要な要素って何だろう?」と生徒に問いかけ、ブレインストーミング形式で意見を集約することを考えました。

 

しかし、このご時世、ふせんなどを用いた従来のブレインストーミングでは、生徒同士が密接しての作業になってしまうことが予想されます。

 

そこで、以下の手順でブレインストーミングを行ってみました。

 

【手順】

MIcrosoft Forms で生徒から意見を集める

生徒に「リーダーに必要な要素」を思いつくまま回答するよう指示しました。

その際「1要素1回答」「同じものを何回も回答して構わない」という指示も出したことを加えておきます。この指示が後で効いてきます・・・。

 

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図2:Formsの回答ページ

 

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図3:25人程度のクラスですが、5分間で250件近い回答が集まりました。

 

FormsからExcel形式で出力された生徒の回答を「textjoin関数」でまとめる

生徒が回答した「リーダーに必要な要素」を1つのテキストにまとめます。

そこで「textjoin関数」を用いて、「 , 」で区切りつつ1つのセルにまとめちゃいました。

 

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図4:生徒の回答をtextjoin関数で , 区切りしつつまとめました。

 

③ユーザーローカルのテキストマイニングツールを用いて「テキストマイニング」を行う

ユーザーローカルのテキストマイニングツールを利用して、先ほど1つのセルにまとめた文字列に関して「テキストマイニング」します。

 

テキストマイニングとは、文字列を対象としたデータマイニングのことである。通常の文章からなるデータを単語や文節で区切り、それらの出現の頻度や共出現の相関、出現傾向、時系列などを解析することで有用な情報を取り出す、テキストデータの分析方法である。(Wikipediaより)

 

このツールを利用して、生徒の意見を効率よく集計しちゃおう、という作戦です。

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図5:1つのセルにまとめた文字列をコピペして緑のボタンを押すだけで・・・

 

 

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図6:テキストマイニングができちゃいます!

 

こんな作業がクリック1回で、しかも無料でできるなんて・・・すごい時代になったものです。

 

 

さて、この画面でも既に word cloud ができていますが、

このままだと自由度が高くないので、もうひと押しします。 

 

 

 

④単語の出現頻度をダウンロードする

 word cloud の右上の方にある「単語の出現頻度をダウンロード」から、

単語の出現回数を Excel ファイルとしてダウンロードできます。

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図7:文字コードの違い、としか私にはわからないのですが・・・とにかくExcelファイルでダウンロードできます

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図8:こんな感じのファイルがダウンロードできます



Excel のアドイン「E2D3」を開いて、word cloud を選択する

E2D3とは、手軽にデータビジュアライズができる Excel のアドインです。

フォーマット(外枠)は決まったものの中から選ぶしかないですが、

中のデータを差し替えるだけで、簡単・お手軽におしゃれなグラフを作ることができてしまいます。しかも無料!

 

Excel 上で E2D3 を開き、word cloud を選択します。

 

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図9:Word cloud を選択し、「可視化する」をクリック

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図10:するとこのようなテンプレがでてきます

 

 

⑥図10のテンプレ内のデータを ④ でダウンロードしたものに差し替える

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図11:コピペでデータを差し替えると、すぐに反映されます。

ここまでくれば、中身を自由にいじり倒せる word cloud の完成です!

 

実際に中身をいじってみます。

 

例えば、A13のセルにある「こと」という単語は意味を持たない単語ですが、

図11の cloud の真ん中やや下に紛れ込んでしまっています。

 

そこで、Excel から「こと」とその出現回数(A13、B13セル)のテキストを削除すると、その変更が即座に word cloud に反映されます。

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図12:「こと」などの不要な語句を削除した後


また、今回の授業では時間の都合上しませんでしたが、類似語をまとめることも可能でしょう。


あるいは「〇〇と××って、まとめられるかな?」と生徒に投げかけ、そこから授業を展開していくことも可能でしょう。

 

ふせんでよく行われるブレインストーミングとそん色ないものができたのではないかと思います。

 

 

 

 

 

以上が、私の実践です。

 

手順は多いですが、慣れれば2~3分でできますし、

この過程を生徒に見せながら行うと、最後 word cloud ができたときは感嘆の声があがるかもしれません。

 

何かのお役に立てば幸いです。